2012年3月27日火曜日

日本的なもの/Las cosas japonesas en Paraguay

折り紙はパラグアイでは今やポピュラーなもの
生徒に折り紙に興味のあるヤツがいて、唯一覚えてるツルを折ってあげたら「オー!」と声を上げて喜んでくれた。
折り紙はもう定着していて喜ばれないと聞いていたので、新鮮だった。

今度は違う折り紙も紹介したいが、できそうなのは手裏剣や帆掛け船あたりで、びっくりされるようなモノを知らないので残念だ。
そのかわりと言ってはなんだが、茶道や合気道など、他の日本文化を紹介してやろうと思う。

合気道は一部によく知られているが、まだまだ知らない人が多い。
同じシニアの仲間で合気道の先生がいるので、また習いに行って小出しにして見せてやろうかと思う。
茶道は日本パラグアイ文化センターで、やはりシニアボランティア仲間が教えているので、連れていってあげたいものだ。
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アスンシオンに茶室があるなんて!
その茶道で、頼まれてノウハウ本を作ることになった。
なるべく簡単にしたいが、おそらく50ページ近くになるだろう。
茶道の動きはビデオのほうが断然分かりやすいから、ビデオにしたほうがいいと薦めているが、とにかく先に本を作ることになった。

今、第一回の簡易な作法の撮影を終えたところだが、写真を整理したくらいで、これからあと2つの作法を撮って、ふくさのたたみ方など共通した基本事項と、道具類を撮って、写真に解説を付けてもらって、レイアウトして校正してもらって・・と長い道のりが待っている。

今回はカメラマンも使わず、ボクが一人で仕事の合間にやっている形だ。
だが着物の似合うパラグアイ美人のお弟子さんが、ちゃんと着付けて、熱心に取り組んでくれるので気を抜けない。
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表千家はここまで泡立てず、池を作るのだとか
今回は表千家の作法だが、転身の方向など細かく決められており、複雑なもんだなぁと茶道をやらないボクは感心する。
お茶自体は体や美容にいいとされているので、味も好きだし、やれるもんならやりたいが、姿勢が良く無いとダメだから、腰が悪くてすぐだらけた形になってしまうボクには向かないようだ。
とにかく飲む方だけは恥をかかないようにと、やり方を教えてもらったので、忘れないうちにここに書いておこうと思う。
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・茶菓子があれば先に食べておく。
・うつわが前に出されるので、相手に「いただきます」と礼をする。
・順番が前の人に礼をし、後の人にも「お先に」と礼をしてから器を手に取る。
・正面がこちらを向いて出されるので、それを避けて45°を2回で90°右にまわす。
・何回かに分けて飲み干す。
・口を指で拭きとる。
・お茶菓子の紙などでその指を拭く。
・45°を2回で90°左にまわす(元に戻って正面がこちらを向く)。
・茶碗を置き、正面から眺めて相手の心遣いを慮る(軽く持ち上げて銘などを見ても良い)。
・180°回転させて、正面を相手に向けて返す。
・ごちそうさま替わりの礼をする。
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だいたいこんな感じだったと記憶している。
裏千家で表千家のやり方でやっても、その逆でも問題は無いという。

写真を撮りに行ったついでにお茶もいただいたのだが、美味しくて2杯いただいた。
眠れない人もいるというが、ボクは大丈夫みたいで、いくらでも飲めそうだ。
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買った道着の帯。すごく細い。ブランドはTKO。
しかし、パラグアイに来て日本で縁の無かった茶道に触れるとは思わなかったな。
本場の京都に住んでいた時も、自分で茶葉を買って自己流で淹れて飲んでた程度だ。
合気道もそうだし、人は外国へ行って自国を知るんだなぁ。

今頃それを知るなんて遅すぎ!?
いやいや、なにごとも遅すぎることなんて無い。
やりたい時がやり時だからな。

日本に帰ったら合気道を続けたいと思うが、忙しい日本の職場で果たしてそんな時間の余裕があるんだろうか。
時間泥棒に取られた膨大な時間を、少しでも取り戻さなきゃ・・。


2012年3月11日日曜日

震災の日がまた来た/Japón recuerda el trágico

3月11日のパラグアイの新聞から震災記事
3月11日の朝がパラグアイにも来た。

1年前、日本時間午後2時46分に大きな地震があった日だ。
こちらでは同じ日の未明ということになる。

1000年に一度という歴史的な津波が、太平洋からやって来て、東北地方をなぎ倒した。
2万人とも言われるたくさんの人が亡くなり、福島の原子力発電所が爆発し原発神話を崩壊させた。

今もその傷跡が残り、被災者と呼ばれることになった多くの人達がいる。
故郷に帰れなくなった人もいる。
追悼式があちこちで開かれ、反原発デモが行われているという。


天災と人災と。
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去年のこの時期は、ここパラグアイでもチャリティコンサートや集会での黙祷があちこちで行われていた。

新聞を見てみたら、JICAのセミナーが明日から5日間ほど行われるという大きな広告や、大規模な携帯電話会社主催のロックコンサートの2面見開き広告の後のほうのページに、写真のような1ページの記事があった。
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忘れないでいることが求められているという。
でも、忘れるはずが無いと思う。

ただ「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉があるから、100年も経って今生きている人達がみんな消えたら忘れ去られるんだろうか。

黙祷。


2012年3月10日土曜日

新学期が始まった/Ha empezado la clase nuevo

リーダー決めは立候補演説もありボクには面白い行事
新しい生徒達が入って来た。
全部で24人。

今年は個性的なヤツらが多い。
去年のヤンチャ君の弟や、ロックでタトゥーな2人、テコンドウにいちゃん、よくしゃべる娘、日本好きの青年、まだ少年のようなヤツ・・等々、さらに普通高校を卒業した子だけでなく就学中の子も数人混ざっているし、去年のようななんとなくある最初の統一感が無い。

ただ職業訓練校なので、机の上だけでなく実際に機械を動かすという共通の言語があるから、卒業までにはなんらかのまとまりが生まれているだろう。
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入学式。時間が過ぎているがまだ全員揃っていない
3月2日には入学式があったが、南米らしく、まず時間通りに生徒が集まらない。先生の紹介では拍手と歓声で盛り上がる・・など、式特有の窮屈さが全く感じられない。

そうそう、校長先生の挨拶で「雨の日も寒い日も〜」というセリフがあったが、「暑い日」は登場しなかったのも面白かった。
寒い日はイレギュラーだが、暑い日はノーマルなんだな。

入学式が終わってクラスに入ってからも、スタイルも反応も日本に比べてずいぶん自由だ。許可を得ない発言がいつでも飛び出し、奇声さえ飛び交う。
飲み物はいつでもOKだし、回し飲みも自由だ。
生徒達は互いにタッチを交わし、肩を抱いてあいさつする。
もちろん朝と帰宅時は、先生も含めて全員と握手だ。

パラグアイには女性が相手の場合、あいさつに軽く抱いて頬をあててキスのポーズをする習慣があるが、さらに恋人同士が抱き合ってキスする姿もあちこちで見られる。
いい悪いは別にして、人と人の距離が日本より近いようだ。
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機械操作を覚える生徒達。まだ私服だ
クラスが始まってから、今1週間が経つが、一人ひとりの個性が少しずつ分かって来た。
ボクに興味を持って話しかけてくるヤツが多くて同じようなことを聞かれるのは少し困るが、最初だけのことなのでそれもすべて相手している。

今のところは、1週間に2回突然倒れてしまう子がいたり、やたら挑発的に話しかけてくるヤツ達もいて先への不安を感じたが、ヤンチャなヤツ達もよく話しを聞いてみると家が遠いので毎日朝5時に家を出ているという努力家だったり、なかなか几帳面なメモ魔の子がいたり、性格の差から不仲な生徒関係もすでにできているものの、全体には去年より早くスムーズに進行している印象を受ける。

去年は人数も少なく一度にすべてをこなせたが、今年は機械がそれぞれ1台しか無い現状では、何をするにもグループ分けが必要だ。
なかなか苦労が予想されるが、その分面白いクラスになってくれるだろう。

さぁ、ボクも今のうちに自分の守備範囲をちゃんと見直して、内容をきちんと把握して気を引き締めて臨もう。
彼らは生活を掛けて吸収したがっているのだから。