2012年9月9日日曜日

映画「7つの箱」/Pelicula Paraguaya "7 cajas"

メルカド・クアトロの夕景(映画サイトから)
今パラグアイで、話題のパラグアイ映画を見た。
「7 cajas(7つの箱)」
ボクの住む。ホントにすぐそこのメルカド・クアトロが舞台の映画だ。
http://7cajas.com/
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買い物客のチップ目当てのポーター青年が殺人事件に巻き込まれるサスペンス映画だけど、いやー、スペイン語がよく分からんのに面白かった!
いや、スペイン語が分かる人でも字幕を読まなければ分からない全編グアラニー語溢れるご当地映画だから、スペイン語が分かる分からないは関係無いか。

なにが面白かったって、パラグアイの風俗というかメルカド・クアトロ当たりの風俗がよく出ていたので、非常に親近感というかリアリティ溢れる感じで良かった。
映画サイトのトップページ
見たことあるメルカドのごちゃごちゃ感というか、猥雑な雰囲気がよく出ていて、しっかり引ったくりの小悪い奴らも絡んでるし、メルカドのウラの部分も描かれていた。

日曜日や夜間のメルカドを使って撮影したというが、荷車の追跡劇や荷台での銃撃戦や攻防、グループ間や警察を巻き込んでのスリル溢れる展開は、映像だけでも楽しめる。
おまけにギャグやラブストーリーまで盛り込んであり、映画好きな主人公の設定といい、音楽のパラグアイらしいユニークな響きなど、映画全体がパラグアイを知る人にはたまらん感じだった。
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もし言葉がよく分かれば、もっともっと楽しめるだろう。
グアラニー語が分かる人には・・つまりパラグアイ人にはほんとに嬉しくなる映画に違いない。

警官もリアルだった(メイキング画像から)
それを裏付けるように興行成績も人口600万のパラグアイで、最初の週だけで動員3万人、3週目には8万人などど報道されていて日本だと100万人規模に匹敵する大ヒットだ。

最近の報道(下のリンク)では公開後2週間で10万人となっている。
http://www.ultimahora.com/notas/559252-7-Cajas-de-exportacion

我々が行ったビジャモラ・ショッピング内のちょっとしたシネコン「ビジャモラ・シネセンター」でも人気があるので、6部屋中2部屋を使って上映を行っていたが、毎回まだまだ行列が出来ていた。

今やバットマンでさえ1部屋上映で1日4回だが、7 cajasは2部屋で1日19回上映!
バットマンが最盛期でも閑散としていたのに比べ、7 cajasは人々が並ぶほど満員だ。
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出演はヒーローにトバティ出身という青年、ヒロインは弁護士でもあるというアスンシオンの女性だという。
7 cajasの一場面。主人公と肉屋
ほんとにいそうな顔つきで、ぴったりの配役だと思った。
確認した訳では無いが、出演者も製作者もきっと全員パラグアイ人に違いない。

監督がJuan Carlos ManegliaとTana Schémborという男女のダブルネームになっているのが不思議だが、何があってもおかしくないパラグアイ。独自の映画製作スタイルを取ったのかもしれない。

その後の報道によるとベネチアやトロントなど世界各地の映画祭に出展され、なんらかの受賞もあったということなので、おそらくパラグアイで始めての成功した映画ということになる。

以前に一度パラグアイ映画を見たが、なんだか中途半端にドキュメンタリータッチの小難しい映画に仕上がっていたことを思うと、この作品はエンターテイメント色が強く世界中で受け入れられ易い。
まったくパラグアイを知らない人がこの映画を見てどう感じるのか、今のボクにはもう判断できないが、受賞という事実を考えるとそういうことなんだろう。
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グアラニー語が分かれば、いろいろ貼ってあった伏線も分かってより楽しめるに違いない。
機会があれば、パラグアイの友人の説明を聞いてから、もう一度見に行きたい。
だって、ハリウッド映画と違って日本に帰ってしまうと二度と見られないかもしれないから。

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