小さなシルビオ・ペティロッシ国際空港 |
本来ボクも帰る日だった。
3ヶ月だけよけいにパラグアイにいることになった。
先に帰られるのは寂しいもんだ。
楽しみにしていた成田空港での再会も、夜の東京も無くなった。
一人ぽつんと成田に着くことになる。
滞在延長をいわば簡単にしてしまったけれど、少し運命が動いていろいろ無くすものがあるんだな。
だが、それ以上にいろいろ得るものがあると考えたい。
出発を待つ。空港の両替は少し率が悪い |
あ、それから師匠は香水に使うパラグアイの植物エキス、それにバジルを置いていった。
バジルはアグロショッピングで葉を買ったのを、ボクもやったように水に入れていたら、1本だけ根が出て来たらしい。
それが長く長く伸びて、農家からもらった土を小さな鉢に入れそこに植えると、立派なバジルポットのできあがりとなったものだ。
それをいただいて、今夕陽の見える窓辺に置いてある。
観賞用だけではもったいないので、たまに料理に使わせてもらおう。
鉢植えの置き土産バジル |
枯らさないように気をつけなきゃ。
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エキスは調香師をしている師匠のご兄弟からのもので、パラグアイの植物のもので嗅ぐと甘い匂いがする。
ラベルには「Petitgrain oil Paraguay」とある。
いったいどんな植物なんだ?とGoogleで探してみたら、そのものずばりの「Petitgrain oil Paraguay」という項目が出て来た。
http://www.thegoodscentscompany.com/data/es1009871.html
開けてみると色や比重や屈折率等の化学的な項目が並び、危険性等も書かれ、さらに何に調合できるかも分かる。
専門家が使うページのようだ。
Googleの日本語検索の筆頭には山本香料さんのホームページがあり、モロッコ産のプチグレンオイルの説明がある。
こっちは成分の化学式付きだ。
http://www.ypcyy.co.jp/contents/kaori_no_shizuku/tennen_seiyu/944
日本語なのでボクには分かりやすい。
パラグアイ・プチグレン油 |
ニキビで悩む青少年にあげたい。
さらに日本語で「プチグレン油」を検索すると、たくさん出て来る。
「昔から多用されている」と書いてあったからな。
そのうちのひとつを開くとちゃんと原産地にパラグアイがあった。
http://mio7.iinaa.net/01phytoaroma-003kiso-seiyujiten001-petit-grain.htm
原産国には他にフランス、イタリア、スペイン、チュニジアの名があがり、「他」も付いているが、南米ではパラグアイだけがあがっている。
特別な感じがする。
確かにパラグアイではオレンジがたくさん売られているし、朝食にはオレンジジュースが付き物だ。
しかしそういえばボクは農園を見たことが無い。
もうわざわざ行くことは無いだろうが、機会があれば産地を見てみたいものだ。
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だがこのエキス。キャップを閉めたまま机に置いておいただけで、心が落ち着くいい香りが漂う。
分解も早そうだが、師匠はいつこれを日本から持って来たのだろう?
少なくとも1年以上は経っているはずなのに、タフなエキスだ。
搭乗口に向かう連中 |
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空港での寂しい別れの話しを記録しておくつもりが、エキスの話しになってしまったな。
空港での別れの後はいつものペルー通りの店でビールを飲み、すごく久しぶりに近くの焼肉屋へ行った。
ハゲ親父はもう引退して、若い夫婦が営っていた。
気持いい風が抜けるパティオでは、きれいに上限の月が見えていた。
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