2011年8月1日月曜日

ゆるキャラの育て方/Televisión de Japón

NHKの海外向け放送が入るが、画像の悪いボロテレビ
今暮らす築40年というホテル(?)は、日本のテレビが見られる。
部屋にあるのは古いテレビで画像がたいへんに悪いが、なんとか見られる。

今は3チャンネルだけが見られるが、見ているとパラグアイにいることを忘れてしまう。
日本語脳のままで暮らしているので、スペイン語の上達に悪影響を与えていると思われる。
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しかし、日本のテレビが見れるのは悪いことばかりじゃない。
東北大震災の時はいち早く情報が得られ、不安な東北出身者の役に立てたし、海外から日本を見ていると感覚的に発見がある。

「管おろし」の動きなんかも滑稽に写り、「今はそれどころじゃ無いでしょ」と思って、批判ばかりしている日本の政治家にあきれてしまう。
電力会社の圧力?それともボクの感覚がヘン?
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それはさておき付けっぱなしにしていた日本の放送で、いわゆる「ゆるキャラ」成長物語をたまたま見た。
聖徳太子の生まれ故郷だという大阪府太子町の「たいしくん」の話しだった。

出展/imococlub HP
たいしくんは、着ぐるみとしてなかなかに可愛くよくできていると思うが、それだけではまさにキャラが立たない。
「和を以て貴しとなす」をもじって「和」→「輪」であるフラフープが得意という設定だが、中の人はフラフープができない。
イベントに参加しても、悲しい結果にしかならない。

そこであの、ゆるキャラ界の最高峰・ひこにゃんの育ての親という荒川深冊氏が登場して、キャラを立たせようという話しになった。

このアドバイスがさすがに的を得ていて、マネージャー役の町職員との掛け合いが大事だという。
マネージャーとの関係性の中でキャラが立って来るという指摘だった。

意識して取り組むと、とたんに、たいしくんが生き生きとした個性あるキャラクターに見えて来た。素晴らしい。
いろいろちょっかいを出すヤンチャなたいしくんと、苦労させられているマネージャーという構図ができて、見る側にたいしくんというキャラがはっきり見えて来た。

この辺の話はウラ話も含めて、太子町のまちおこし市民グループ「imococlub」のブログに詳しく載っている。
番組では簡単なドラマ仕立てだったが、そこに至るまでには深〜い努力があったようだ。
http://imococlub.blog112.fc2.com/blog-entry-231.html
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ここには教訓があると思った。
ただ単にキャラクターを作っただけで満足して、回りがおんぶだっこになってしまって育てる気持ちが無ければ何も進展しない。
やはり、なんにでも育てるプロセスがいる。

そしてそのためには、そのゆるい外観とは裏腹にしっかりした手抜きの無いストーリーやメッセージが必要だ。
つまり、キャラクターが持つ明解な世界観の構築と、自分たちの「良きメッセンジャー」だという認識が重要になって来る。

出展:Wikipedia
ひこにゃんもキャラの魅力というより、後付けのネーミングや中の人の動きやイベントでの演出や、扱い方に依存する所が大きい。
背景にメッセージや「想い」が詰まった「ひこにゃん世界」がちゃんとある。

そして、ひこにゃん自身が親元をちゃんと巣立って自律して見える。
そうなるとやっと「親のココロ子知らず」というか、放っておいても良くなるようだ。
いきなり放任主義では、自律できず消えてしまう。
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ゆるキャラだとバカにできないもんだ。
やはり定着のためには、キャラクターの王道を行くミッキーマウスのように、しっかりした世界観を持った長い取り組みが要るんだと再認識した。

キャラを作るということは、キャラを育てるということなんだな。
人間とおんなじだ。
親になる気持ちが無いと、簡単に作ってはいけないんだ。

深いなぁ。ゆるキャラ。

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